藤田嗣治展へ2018年11月26日 10時03分

京都国立近代美術館へ吹田嗣治展を観に行ってきました。

ちょうど京都は、紅葉真っ盛り。 阪急で、神戸から行ったのですが、

電車内は満杯。 たまたま座れたのが幸運という状態でした。

先月、京都に行ったときはバスに長蛇の列だったので、地下鉄なら少しは移動に楽かと地下鉄を選択したのですが、地下鉄もすし詰めです。

目的地ー東山駅に着くと朝の通勤電車並みの混雑、ドドッという感じで外に押し出されました。

すごいです、今の京都は。

で、藤田嗣治展。没後50年の大回顧展です。

美術館の入り口には、大きなパネルが。


館内にはこちらのパネル。


館内は混み合ってました。 人気の高さが分かります。

展示物は、やはり白い肌の裸婦が多かったです。 とにかくそれまでのセイヨウが担い裸婦の肌の表現であることが分かりました。

そして、=^_^=。 これがあるから、藤田に興味を持つようになりました。

猫の表現が、ネコ飼いならでは応援隊長が好きな作品の一つが、

1943年製作の「自画像」-これはぜひみてください。

日本家屋の畳の間で、猫を懐に入れて 小さなお膳にアジの干物やら、枝豆、漬物やら並んで、急須があったりの全くの日本の中の風景です。

この絵がいい処は、フランス生活が長かったにもかかわらず、西洋かぶれの自画像ではなくて日本の生活風景がしっかり描きこまれている普通の生活の自画像であること。
 

隣でこの絵を見ていたご夫人の言葉。「ビールはなかったんやな」

そうそう。同感。 そんな=^_^=がいる自画像がとっても良かったです。


そして、アッツ島玉砕の絵。 この絵は、戦争記録画ですが、写真などより構成して描き上げたもの。


のちに、戦争協力者として問題になった絵の一つです。

しかしこの展覧会の解説者は、「この絵が傑作であるからこそより問題になったのではないか」との言葉。

画力もさながら構成力なども加えて傑作です。 

これも実際に観たほうが良いです。


とまだまだ書きたいことは多いですが、それは端折って、お土産はポストカードを買いました。

これ。日本初公開の「エミリー・クレイボーン=シャドボーンの肖像」


バックは、銀箔だそうです。今は黒っぽく見えますが描いた当時は輝いてそれは素晴らしかったでしょう。

猫がそばにいることも○。

12/16日まで開催中です。ぜひ足をお運びください。

サヴィニャック展へ2018年11月06日 09時59分

久しぶりの更新です。 なかなかネタが無くてね。。。

で、兵庫県立美術館で開催中のポスター画家、サヴィニャック展を見てきた感想などをちょこっと報告します。


「サヴィニャックーーパリにかけたポスターの魔法」と題した美術展です。

フランスを代表するポスター画家で、それまで主流だっ他装飾的な要素をなくし、シンプルかつ陽気な作品で戦後ポスターの歴史に新たな時代を開きました。(チラシから抜粋)

美術館入り口には大きな牛のパネル。


もとは、フランスの牛乳石鹸のポスター。 シャボンオレ!!

こちらのわんこの広告は旅行会社のもの。


とってもかわいい

作品は、もとになった原画や、ポスターそのもの、そして実際に当時のパリ街角に掲示された風景写真などが展示されてました。

原画は、意外に大きくて、10号以上の作品が多く、驚いたことに合板にグアッシュで描かれてました。 絵具の扱いやすさと発色の良さで使われたのかと思います。後になって、アクリル絵の具の作品もありました。

ポスターは最初リトグラフで、あとでオフセット印刷になったようで、こんなリトグラフなら自分の部屋に飾りたい。。。などと思いながら見ていきました。

オランジーナの広告

ダンロップの広告

とっても明確に何を訴えたいか分かりやすいポスター群。

とにかく本の表紙から様々なものの広告ポスターがたくさん。

どことなく見たことあるなあと親しみやすく、その素敵な色彩に魅了されました。

トリコロールを基調にした作品など、ほんとにフランスらしい。


人があまり多くなくてゆっくり見れたのも好印象。

そして記念にポストカードを買いました。


これ、豊島園のもの。 日本の会社も依頼したことがあるんですね。

是非、一度足を運んでください。

12/24まで開催中

「田中一村展」へ2018年09月08日 10時11分

琵琶湖湖畔の佐川美術館で開催中の田中一村展に行ってきました。

佐川美術館は初めて行きます。


美術館には、JR守山駅よりバスで30分以上かかり、神戸からはなかなかの距離です。

ややアクセスが不便でそして悪天候なので入場者少ないだろうと思ったのは大きな間違いでした。会場にはたくさんの人が。



食事を、館内でとろうと、目的地優先にしたらカフェも満杯。

結局、JR守山に戻るまで(3時半過ぎ)まで食事できずでした。

食事は先にすまして現地に行くのがベターです。


大好きな田中一村の絵のためには我慢我慢でしょうか。


さて同時開催中の平山郁夫展にはほとんど目もくれず、まっすぐ田中一村展へみな直行です。もちろん白猫応援隊長も。

田中一村生誕110年危険回顧展だそうで、展示作品は神童と呼ばれた一村の初期の初期の作品から奄美時代の作品まで4期に分けられて展示されてました。


子供のころの作品でもとにかく見事でした。

奄美のころの作品が少なかったのがちょっと残念。




この有名なアダンの海辺は、展示期間が終了し、現在は箱根の岡田美術館で開催中の田中一村展に展示中で、現在はコピーが展示されてました。

この作品には精魂を注ぎ込んで描いたので、署名する気力もなくなったとの説明。

今回の展示品にはかなりの解説パネルが置いてあるので、作品がずっと楽しめて鑑賞できました。

奄美に引っ越すための資金を得るために描いた襖絵が展示してあるのがすごく良かったです。



こんな襖絵のある和室に寝転んでみることができるならそれはそれは至福に違いないと思いました。

また一村直筆の色紙が展示されて、それには、「もう(染色)工場では働かない。好きな絵を描いていく」との言葉が、その言葉が心に刺さりました。

どんなに絵を描くことが好きだったのかと。

極貧でも絵を描くことがまず大事だったのでしょう。

お金のために絵を描かなかったことが奄美の時代の作品によく出ていると思います。


で、記念にポストカードを入手。欲しかった作品は売り切れでした。で展示作品ではないのですがアカショウビンの作品にしました。


一村の鳥もいいですね。尾長やアカショウビンなど。

とにかく一村展ぜひ足を運んでください。



チャペック兄弟と子供の世界展2018年07月28日 09時34分

今朝もセミの鳴き声うるさいですが、今後の台風12号の行方がが心配です。

通常と逆コースの進路予想で、関西直撃かも。

そんな昨日は芦屋美術博物館で開催中の

「チャペック兄弟と子供の世界」展へ行ってきました。


芦屋美博物館を訪れるのは初めてです。

JR芦屋からバスで浜側へ。

美術博物館は芦屋浜の旧防潮堤の内側にありました。

向かって右側に美博物館、谷崎純一郎記念館、市立図書館が並んでいました。

左側が旧防潮堤で、大きな松の木が多いです。


チェコのチャペックと言えば、子犬のダーシェンカと子猫のブドレンカの話が大好きなので、その作品に非常に興味がありました。

ロボットという言葉を作ったのもチャペックです。

しかし、兄ジョセフが挿絵、弟カレルが文章を担当しているものが多くあるのにはびっくり。

ジョセフは画家さんだったのですね。(作家は覚えているけど挿絵画家が誰だったかはなかなか覚えていないですよね!)

こんな子供の絵を、ペン書き、パステル、油絵などで描いてます。


子供を描いた曲線がきれいで、子供を見る目が優しい。

そして、カレルの作品「園芸家の12か月」の挿絵に出てくる弟カレルを描く視線も優しくユーモアに溢れています。

作品は小さなものは5cmx4cmくらいのドローイングもたくさんあってよくこんな小さな作品描けたなと感心しました。

無駄な線がなくて適格な表現です。

もちろん私は、ダーシェンカの原画とブドレンカの原画を見たかったので、感激。

絵本の原画がほとんどですが、心が子供のころに引き戻されるような作品群でした。

もちろんチャペックの作品の出版されたものは、ロビーに展示してあり、


手に取って読むことできます。


特にこの「山椒魚戦争」高校時代に読んでチャペックの名を知りました。

SFの名作の一つです。


ともにファシズムへの批判を強めていたことから、ナチから目をつけられていましたが、

チャペック兄弟はカレルがナチのポーランド侵攻前の1938年肺炎で死亡、兄ジョセフは

1945年ナチの強制収容所でなくなりました。(実際は没年不詳)

ヨーロッパの暗い世相の時代、子供への優しい視線と澄んだ心で作品を作ったチャペック兄弟の最後を思うと悲痛です。

第2次世界大戦後のチェコのたどったロシア影響下の道のりもまた苦難ばかりでした。

この展覧会に出品作品は、チェコ国立文学館蔵、カレルチャペック記念館蔵のものが多いのですが、個人蔵が最も多いのです。

遺族の方の協力と説明書きがあったので、「あっ」と気が付きました。戦後の混乱期にもチャペックの作品が散逸することなくご遺族で守り通されたのではないかと。

このような文化遺産をあの共産主義の蛮行の時代守ることができたのはチェコの文化意識の高さだった。

 ボヘミアンの国ですから。

歴史的にも多くの国で為政者の意向に背く書物は焚書坑儒で焼却されたのとは大きな違い。


ぜひチャペックについて作品展へ足を運んでください。

作品は、暗くはなく心を和ませるものばかりです。

また山椒魚戦争読み返そうと思います。


どう考える?2018年04月24日 09時33分

朝から小雨模様です。 タケノコ梅雨というそうな。

霧の話が出たので、 ミステリー小説の話でも。

先日、ミシェル・ビュッシ作 「黒い睡蓮」を読みました。

舞台は、フランスジヴェルニーです。


ジヴェルニーと言えば 印象派の画家クロードモネが住んでいたところです。

ここで、一連の睡蓮の絵をかきました。


その日本庭園が有名なところです。


モネの住んだ家と庭園が公開されています。


登場人物にポール、ヴァンサン、カミーユという名前が出てきます。

ポールと言えば セザンヌ、シニャック  ゴーギャン の名が出てくるでしょう。

意外とポールの付く画家がいますね。 あなたにとってポールと言えばだれですか?


カミーユと言えばピサロでしょうか。

ヴァンサンといえば もちろんゴッホではないでしょうか。


とこのミステリーでは、印象派の画家さんの名前が出てくるのでちょっといろいろ想像するのも楽しいですが

ジヴェルニーの通りやあたりの風景が細やかに書かれているのがこの作品の良いところ。

このミステリーを読むと、

ジヴェルニーについてもっと知りたい。 一度行ってみたいなあ と感じさせました。
 
で、ジヴェルニーを訪れる観光客は、米国人や日本人が多いらしい。

日本のものをモチーフをしたモネの作品が多いですから、日本人がモネを好きなのも当然ですね。


詳しい内容については読んでくださいませ。