チャペック兄弟と子供の世界展 ― 2018年07月28日 09時34分
今朝もセミの鳴き声うるさいですが、今後の台風12号の行方がが心配です。
通常と逆コースの進路予想で、関西直撃かも。
そんな昨日は芦屋美術博物館で開催中の
「チャペック兄弟と子供の世界」展へ行ってきました。
芦屋美博物館を訪れるのは初めてです。
JR芦屋からバスで浜側へ。
美術博物館は芦屋浜の旧防潮堤の内側にありました。
向かって右側に美博物館、谷崎純一郎記念館、市立図書館が並んでいました。
左側が旧防潮堤で、大きな松の木が多いです。
チェコのチャペックと言えば、子犬のダーシェンカと子猫のブドレンカの話が大好きなので、その作品に非常に興味がありました。
ロボットという言葉を作ったのもチャペックです。
しかし、兄ジョセフが挿絵、弟カレルが文章を担当しているものが多くあるのにはびっくり。
ジョセフは画家さんだったのですね。(作家は覚えているけど挿絵画家が誰だったかはなかなか覚えていないですよね!)
こんな子供の絵を、ペン書き、パステル、油絵などで描いてます。
子供を描いた曲線がきれいで、子供を見る目が優しい。
そして、カレルの作品「園芸家の12か月」の挿絵に出てくる弟カレルを描く視線も優しくユーモアに溢れています。
作品は小さなものは5cmx4cmくらいのドローイングもたくさんあってよくこんな小さな作品描けたなと感心しました。
無駄な線がなくて適格な表現です。
もちろん私は、ダーシェンカの原画とブドレンカの原画を見たかったので、感激。
絵本の原画がほとんどですが、心が子供のころに引き戻されるような作品群でした。
もちろんチャペックの作品の出版されたものは、ロビーに展示してあり、
手に取って読むことできます。
特にこの「山椒魚戦争」高校時代に読んでチャペックの名を知りました。
SFの名作の一つです。
ともにファシズムへの批判を強めていたことから、ナチから目をつけられていましたが、
チャペック兄弟はカレルがナチのポーランド侵攻前の1938年肺炎で死亡、兄ジョセフは
1945年ナチの強制収容所でなくなりました。(実際は没年不詳)
ヨーロッパの暗い世相の時代、子供への優しい視線と澄んだ心で作品を作ったチャペック兄弟の最後を思うと悲痛です。
第2次世界大戦後のチェコのたどったロシア影響下の道のりもまた苦難ばかりでした。
この展覧会に出品作品は、チェコ国立文学館蔵、カレルチャペック記念館蔵のものが多いのですが、個人蔵が最も多いのです。
遺族の方の協力と説明書きがあったので、「あっ」と気が付きました。戦後の混乱期にもチャペックの作品が散逸することなくご遺族で守り通されたのではないかと。
このような文化遺産をあの共産主義の蛮行の時代守ることができたのはチェコの文化意識の高さだった。
ボヘミアンの国ですから。
歴史的にも多くの国で為政者の意向に背く書物は焚書坑儒で焼却されたのとは大きな違い。
ぜひチャペックについて作品展へ足を運んでください。
作品は、暗くはなく心を和ませるものばかりです。
また山椒魚戦争読み返そうと思います。
コメント
_ ミータン ― 2018年07月28日 14:48
_ 白猫応援隊長 ― 2018年07月29日 10:04
え~! チェコにご旅行ですか、ウラヤマシイ。私は、=^_^=引き連れて、ボヘミアンになりたい。あこがれてます。チェコ。SFと言えば何年も読んでません。今じゃSNF(サイエンスノンフィックション)の世界が、SFの世界に近づきすぎて新たなSFなんて創造できないようですね。
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丁度旅行中の知り合いから、プラハやチェスキー・クルムロフの写真が送られてきているのでチェコに関心を持っているところでした。
なんとタイムリー(◎_◎;)